「帰国子女」の定義について考えてみよう
どーもー、おりばーです。
今日はざっくりと「帰国子女」の定義について考えたいなと。
ホント、ざっくりね。
普段何気なく使って、耳にする言葉。
僕としては自分自身をずっと「帰国子女」だと認識して生きてきたわけだけど、実際にはどういう人が当てはまって、どういう人は当てはまらないのだろうか。
文部科学省の定義
まずは国がどのように帰国子女を定義しているのかを見てみよう。
・・・って言いたいところなんだけど、意外とコレが見つからない。
色々探しているうちに辿り着いたのが、文科省発行の「学校基本調査」。
簡単に言うと、日本の学校でとった様々な統計を発表している文章なんだけど、ここの中で当然「帰国児童」って呼び名で帰国子女の数も数えられてるのよね。
数えるってことは、定義も書いてあるはず!
ってなわけで、簡単に定義をまとめると、
「海外勤務者等の子供で1年を超える期間海外に在留し,帰国したもの。
海外勤務者等とは,日本国籍を有する者で,海外に所在する機関,事業所への勤務又は海外での研究・研修を行うことを目的として日本を出国し,海外に在留していた者又は現在なお在留している者」(p.11)
つまり!
親の都合で海外に居た + 一年以上海外に居た、
というのが国の定める定義ってところじゃないだろうか。
言い換えると、
一年以上海外に居ても、親に連れて行かれて、ではなく個人の意思で行く留学とは分けて考えなければいけない、ってことだね。
また、同じ調査で「日本国籍を持たない者」を「外国人」と区別してる一方で、「日本と外国の両方に国籍を有する者は日本人とします」って書いてある。
日本の国籍を持っていないと、帰国子女にはなれないと。
ただし、帰国入試を実施している学校の募集要項を見ると、一年以上だったり二年以上だったりと、学校によって基準が違う。
「帰国子女」というものの定義がそもそも曖昧だということが表れてるね。
世間一般での認識
文科省の定義は分かったけど、これだけだと何だか納得いかない。
というのも、世間一般での「帰国子女」の定義というか認識って、少し違う気がする。
もっと具体的で、細かくて、ステレオタイプを含んでるんじゃないかな。
ここではあくまでも僕が感じた、世間一般での「帰国子女」の認識について、大まかに書こう(細かく見ればもっと色々あるだろうけど)。
「帰国子女は英語が出来て当たり前」
何故か「帰国子女=英語が出来る」って認識だよね。
英語圏以外に住んでいた人だって沢山居るのに。
もっと言えば、海外の日本人学校に通っていた人だって居るのに。
帰国子女ってだけで英語が出来ると期待される、
それがプレッシャーで、面倒くさくて、帰国子女だってことを隠す人も多いんじゃないかな?
僕も「英語でなんかしゃべって!」という死のワードを回避する為に帰国子女であることを隠す事は多かったかな。
practicemakesbetter.hatenablog.com
帰国子女は必ずしも英語圏から来ている訳ではない!
今の時代、海外に日本人学校くらいたくさんある!
無条件に帰国子女全員が英語を使って生活していたと決め付けるのは誤りだ。
僕自身は英語圏で育ったから、このブログは主に英語について話すことになるけど、このことを決して忘れてはいけない、と自分にも言い聞かせておこう。
「幼少期までに海外に行っている」
上の文科省の定義を見ると、
「○○歳までに渡航した者」とは一切言及されてない。
ということは、親の都合で、という部分さえ満たせば、特に年齢制限ってのはないみたい。
だけど、実際にはどうだろう?
例えば、空想の人物「A太郎」君で考えてみよう。
A太郎は高校1年まで日本で育ち、高校2年の一年間のみ、親の海外転勤の都合でイギリスへ。
一年間、現地の日本人学校で過ごし、高校3年生の時に帰国し、もと居た高校に再編入した。
親の都合で、なんとも可哀想なA太郎君・・・。
そんな彼は、「帰国子女」でしょうか?
まぁ、定義は満たしているから答えは YES なんだけど、
何故だか世間では、幼少期(大体12歳くらいまで)に海外に飛び立っている人のことを「帰国子女」と呼ぶ傾向があると思うのは僕だけだろうか?
帰ってくる時期はさほど重要ではなく、いかに若い段階で海外に行っていたかが重要視されているような気がしてならない。
別に小学生の時であれ、中学生の時であれ、高校生の時であれ、留学ではなく親の都合で海外に一年以上居ればそれは立派な「帰国子女」なのに。
結論!「帰国子女」の定義は曖昧である!
まぁここまで色々書いて何なんだけど、
結論としては、
「帰国子女」って言葉は定義が曖昧で、組織や団体によって認識が多少異なる。
そして、世間一般での認識は、非常に定義が狭く、間違いが多い。
ってところかね。
世間一般での認識が、あまりに狭い範囲の人しか「帰国子女」と見ていないから、
- 英語ができない
- 一年しか海外に居なかった
- 高校生の時に渡航した
などの人は、「隠れ帰国」というカテゴリーにされてしまうのかもしれない。
海外がどんどん身近になってゆく現代において、このままの認識でいいのだろうか。
世間の認識が変われば、帰国子女にとってより住みやすい世の中になるんじゃないかな。
そんな日が来ることを心から願おうじゃないかー。
では、僕から以上っ!!
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