帰国子女の悩みドコロ

帰国子女の悩みドコロ

帰国子女にだって、悩みくらいあるもんだ。そんな自身の悩みを学問として追及していたら、大学院にまで来てしまったというお話。

「仕事で英語を活かす」は職場の「英語担当」になることではない

本日のテーマ  
「ほら、外人だよ、英語使えよ」

 

 

どーもー、おりばーです。

「英語を活かせる仕事に就きたい」
「英語を活かせるバイトをしたい」

そう思う人って結構多いんじゃないかな?

英語を日常的に使うことで、より上達させたいという人。
英語が自分の強みだから活かしたいという人。
英語を忘れないために使い続けたいという人。

理由は個々人によって違うだろう。

求人サイトでも「英語が使える!」という風に宣伝されているものが多い。

英語を活かしたいと思った僕は、大学時代にそんなバイトを探して掛け持ちしていたんだけど、どの職場においても、「英語を活かせなかった」という話をしたいなと。

そして、そんな経験を参考に、「英語を活かせる仕事・職場」とは何かについて考えてみよう!

 

英語を使うと白い目で見られた予備校バイト

 

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英語を活かしたい。
教師になりたい。

そう思った僕は、迷わず「予備校の英語講師」のバイトを始めた。

僕が入ったのは地元の小さなマイナー予備校。
他の講師は学生のアルバイトとフリーターが数名。

よほど英語講師が少なかったのか、高校英語の大半を僕が担当することになった。

生徒とも打ち解け、生徒の英語の成績も着実に伸びていったため、僕は充実感を覚え始めていた。

でも、ひとつ、とても気になることがあった。

英語を使うたびに周囲の講師から白い目で見られるのだ。

勘違いしてほしくないけど、僕は別に不必要に英語を見せびらかしてた訳じゃない。
日本での生活が長い僕は、無闇に英語を人前で話していけないことくらい理解している。
(その暗黙のルールが良いか悪いかは別にして、もう慣れた)

でも、英語を教える以上、英語を使わないといけない場面が多い。
というより、英語を使わずに教えることなんて出来ない。
わざと発音を崩したら、間違った発音を生徒に教えることになる。

なのに、英語を発話する度に「調子に乗りやがって」という目線が他講師から飛んでくる。

「英語を使うことに対して気を使わなきゃいけない」
その時点でここは「英語が活かせる職場」ではなかったのだ

英語を使うことで変な目で見られる。
英語を使うと「カッコつけ」だと思われる。
英語を必要最低限のとき以外、使わないようにしなくてはならない

そんな仕事は、「英語を活かす仕事」なんかじゃない。
ただの、「たまに英語を求められる仕事」だ。

「おりばー君、ここの発音ってこれで合ってる?」

僕は、同僚から英語を極稀に求められる、「便利な英語屋」でしかなかったのだ。

 

「外人来たぞ、お前話して来い」のホテルバイト

 

友人から紹介され、ほぼ同時進行で始めたのが、ホテルでの接客バイトだった。

派遣会社を通し、シフト制で各地のホテルにて接客や受付をする。
外国の人が利用するホテルや、外国の人が利用するパーティーホール。
英語が必要なイベントには、派遣会社側から結構お呼びがかかっていた。

英語を使える!
英語を活かせる!

そう思ってホテルに向かうと、現実はそんなに優しいものではなかった。

英語での電話がきたら受付に呼び出されて電話対応。
外国の方が来たら呼び出されて通訳兼案内。

確かに、英語を使える機会はそこそこ多かった。
役に立っている実感もあったから、そこまで嫌な気分でもなかった。
いざという時に「必要とされている」という感覚が嬉しいと思えることもあった。

でも、
「おい、外人さんだぞ。お前が対応して来い。」
と言われて駆り出されるのは、決していい気分ではなかった。

とりあえず「英語」が関係する仕事は全部僕に回せばいい
そんな風に上司から思われていたのだろう。

結局、この職場でも「必要最低限の時だけ英語を求められる」という立場は変わらなかった。

派遣だから仕方ないけど、僕は都合のよい「使い捨ての通訳」でしかなかった。

 

英語を「活かせる」職場とは?

 

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僕はどちらの職場でも英語を使ってはいた。
英語が必要とされる時に活躍も出来た。
そういう意味では、英語を「使う」仕事をしていたのかもしれない。

でも、僕が思う「英語が活かせる職場」は、「英語が存在して当たり前の職場」のこと

別にそれは社内の公用語が英語ということではない。
全員が英語でやり取りをしている職場ということではない。

どちらかと言うと、
英語を使う人に対する理解のある職場。
英語という言語に対して偏見や過度な抵抗感のない職場。
英語というツールを使える人が自分一人だけじゃない職場。

英語関連の仕事は全部この人に回せ!
そんな風に「英語担当」にされるような職場は、英語を「活かせる」場所とは言えない。

英語でのビジネスメールは全部あなたが。
外国人の来訪者の対応は全部あなたが。
外国の取引先との会食での通訳はあなたが。

確かに、役に立つことは出来る。
そして、頼られているという気持ちになることも出来る。

でも、「英語」と付く仕事が全部回ってくるような職場で、あなたはあなたの思うように英語を「活かせて」いるのだろうか?

 

僕は仕事で英語を「活かしたい」。

英語をたまに使うとかではない。
困ったときに頼りになる「歩く辞書」になるつもりもない。
外国人が来たときに使える「お手軽通訳」になるつもりもない。

英語を自分磨きのスキルとしてじゃなくて、仕事に必要なツールとして使いたい。
そして、そんなツールを使うことに対して引け目を感じるような職場には居たくない。

英語を「使う」ことが目的じゃないんだ。

そのスキルをただ持っているだけで評価されるような職場に、僕は就きたくない。

結論!職場の「英語担当」なんてもう嫌だ!

 

英語は好きさ。
いや、大好きさ。

でも、「英語が出来る」という評価だけで生きてゆけるような仕事にやりがいなんてない。

英語が出来たとして、それを仕事でどう「活かす」のか?
その活用の場を与えてくれる職場に、僕は就きたいな。

英語で行われている会議のメモを英語で取ったら上司にビックリされた
なんて話を同期から聞いて、なんともやりきれない気持ちになっている。 

ボストンキャリアフォーラムとかで留学生や帰国子女を対象に求人を出しながら、入社した結果一切「英語を使わせない」空気の会社を、僕は許せない。

まぁ、そんなケースばかりじゃないと信じたいけどね・・・。

 

あ、最後に愚痴を言うとしたら。

英語を「活かせる」仕事を提供するわけでもないのに、求人に「TOEIC700点」とか適当に要件付けるの、止めてもらえます?

 

では、僕から以上っ!!