帰国子女の悩みドコロ

帰国子女の悩みドコロ

帰国子女にだって、悩みくらいあるもんだ。そんな自身の悩みを学問として追及していたら、大学院にまで来てしまったというお話。

帰国子女を悩ます「英語でなんかしゃべって」は真面目に考えるだけ損

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どーもー、おりばーです。

 

以前の投稿にて、

 

「英語でなんかしゃべって!」を「死のワード」と表現してたね。

 

君も言われたことあるんじゃないかな?

 

どう返そうか悩むよね。

 

真面目に返そう。

誤魔化してみよう。

頑張って面白く返そう。

 

 

色々工夫してみても、

最終的に気分良く去ることができない。

 

そんな経験あるんじゃないかな?

 

なぜこの言葉は

こんなにも返すのが難しいのだろう。

 

各パターンがどういう結果を生むのか、

一緒に考えてみよう。

 

 

 

真面目に返す

 

僕も帰国したての頃は、

ずっとこの方法をとってたっけな。

 

Hi, I'm Oliver, and I like doing blah blah blah...

 

のように自己紹介っぽいことを言ってみたり、

その場の状況に合うようなフレーズを言ってみたり、

 

でも、これがどういう結果を招くかはもう分ってるよね?

 

素直に英語で返すと、

何こいつ調子に乗ってるの?

英語出来る自慢ですか?

 

みたいなをされるんじゃないだろうか。

あのなんとも言えない、微妙な居心地の悪さ!

うぉーーーー!思い出しただけでもなんか腹立ってきた!

 

英語でしゃべれ言うたのお前じゃんかーーー!?

 

ってね。

 

 

喋れないフリをして誤魔化す

 

真面目に返して、何度か嫌な顔されたら、

よし、これはもう英語しゃべんないほうがいいのでは!?

ってなるんだよね。

 

そこでプランB

 

「いやー急に言われてもなー、あははは」

「うーーん、会話の相手が居ればできるんだけどなー」

「恥ずかしいからムリだよぉー」

 

いろいろ状況や相手に応じて、発言しなくていいように誤魔化してみる。

 

でも、これも決していい結末を迎えるわけではない。

 

「なんだよ、大したことないじゃん」  (ほっとけ!)

「えー、うわ、空気ヨメヨー」  (なんの空気だ!)

「は?なにそれ、つまんね」   (つまんねー質問するからだろ!)

 

うわ!想像しただけでなんか凹んできた!

色々嫌なもん思い出してきたわ!

アイツだよアイツ!くそーーー!腹立つーー!

 

 

失礼・・・。色々過去のトラウマが・・・。

 

もちろん、上手く誤魔化せることもあるかもしれない。

けれども、こういうイヤーーーな対応されたこともあるんじゃない?

 

言われたとおり返してもダメ

誤魔化そうとしても結局ダメ

 

んじゃどーすればいいのよ!?

 

 

頑張って面白く返す

 

ここまで来た「あなた」は最終手段、

プランCに移行する。

 

グーグル先生の力を借りて、

「英語 何かしゃべって 返し方」

とかで検索するんじゃないだろうか?(僕も中学の頃してました、ええ。)

 

そこで色んな記事や掲示板に出会う。

 

こう返せばいいよー!

こう返したらスカッとしたよー!

こうしたら上手くいきましたー!

 

など、同じ悩みを抱えている人の多さに驚く。

 

そこで、

次こそはこう返してやろう!

って決めるんじゃないだろうか?

 

一発ギャグっぽいのを仕込んでおいたり、

代表例:有名なフレーズ系、カタカナ発音系、英語じゃないじゃん系

  • "I am your FATHERRRRRR"
  • "Thisu izu a pen"
  • "Wengardium LeviOsa!"

 

こっそり嫌味混じりなフレーズを用意したり、

  • "That is a stupid question you know."
  • "Your Japanese sucks."
  • "Talking to you is like talking to a sack of potatoes. I love it."

 

もうこの際だから(どの際だ)汚い単語を言ってみたり、

  • "#%!@"
  • "&#%$"
  • "@$!%#"

 

 

色々用意してみる。

次こそ!次こそは上手く返してやるんだ!

そう、心に誓って・・・。

 

でも、考えてみて欲しい。

ホントにそこまで考えに考えて、

上手く返す必要のある問題なのだろうか?

 

 

聞き手は何も期待していない

 

「英語でなんかしゃべって」

と言う人の気持ちになってみよう。

 

なんでそのようなことを聞くのだろうか。

 

本当に英語に憧れがあって、

ネイティブな発音が聞きたくて、

是非とも今!あなたの口から!私のお耳に!

聞かせて頂きたく思いまするーーーー!!

 

なんて人は居ない。断言する。

 

だからと言って、

わざと意地悪に聞いてきている

なんて人もあまり居ないだろう。(中にはこういう人も居るだろうけど

 

では何故このようなことを聞いてくるのか?

 

単純な話で、

なんの意図もないし、特に考えて言ったわけでもない。

ただそれだけ。

 

悪気があるわけでもないし、

別に答えの中身に興味があるわけでもないし、

強いて言うなら、

あなたという人間にそこまで興味があるわけでもない。

 

人間なんて、そんなもんだ。

適当に会話を繋げるために言っただけ。

 

僕たちを悩ますコトバの正体って、実はそんなもんだったりする。

面白くもなんともないし、聞く必要性も一切ない。

何も生み出さないし、誰も得をしない。

 

そんな適当なコトバに、

これだけ多くの人が傷つけられ、

悩まされ、

時間と労力を取られている。

 

だから僕は提案する。

 

結論!こんな下らないコトバに頭を悩ませないで!

 

どう返せば上手くいくんだろう、

なんて言えば嫌われないんだろう、

 

こんなことで頭を悩ませるのはもう今日でおしまい

 

こんな下らないコトバのせいで、

「あなた」の大切な時間を無駄にする必要も、

「あなた」が傷つく必要も一切ない。

 

どう返しても、どう工夫しても、

いい気分になるものではないんだ。

 

だって、意味もなく、価値もない、そんなコトバなんだもん。

 

だから、もうこのコトバに悩まされないで。

あなたは何も悪くないのだから。

 

もし、また言われるようなことがあったら、

いつぞやのアイツみたいにビシッと言ってやればいいのさ。

 

「英語でなんかしゃべってよ!!」

「は?なにそれ、つまんね」

 

ってね。(いや、違うだろう!

 

こんなコトバに悩まされることがない世の中、

そんな日が来ることを心から願おうじゃないかー。

 

 

では、僕から以上っ!!

 

 

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「帰国子女」の定義について考えてみよう

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どーもー、おりばーです。

 

今日はざっくりと「帰国子女」の定義について考えたいなと。
ホント、ざっくりね。

普段何気なく使って、耳にする言葉。
僕としては自分自身をずっと「帰国子女」だと認識して生きてきたわけだけど、実際にはどういう人が当てはまって、どういう人は当てはまらないのだろうか。

 

文部科学省の定義

 

まずは国がどのように帰国子女を定義しているのかを見てみよう。
・・・って言いたいところなんだけど、意外とコレが見つからない。

色々探しているうちに辿り着いたのが、文科省発行の「学校基本調査」

 

簡単に言うと、日本の学校でとった様々な統計を発表している文章なんだけど、ここの中で当然「帰国児童」って呼び名で帰国子女の数も数えられてるのよね。
数えるってことは、定義も書いてあるはず!

ってなわけで、簡単に定義をまとめると、

海外勤務者等の子供で1年を超える期間海外に在留し,帰国したもの。

 

海外勤務者等とは,日本国籍を有する者で,海外に所在する機関,事業所への勤務又は海外での研究・研修を行うことを目的として日本を出国し,海外に在留していた者又は現在なお在留している者」(p.11)

 

つまり!

親の都合で海外に居た + 一年以上海外に居た

というのが国の定める定義ってところじゃないだろうか。

 

言い換えると、

一年以上海外に居ても、親に連れて行かれて、ではなく個人の意思で行く留学とは分けて考えなければいけない、ってことだね。

また、同じ調査で「日本国籍を持たない者」を「外国人」と区別してる一方で、「日本と外国の両方に国籍を有する者は日本人とします」って書いてある。
日本の国籍を持っていないと、帰国子女にはなれないと。

ただし、帰国入試を実施している学校の募集要項を見ると、一年以上だったり二年以上だったりと、学校によって基準が違う。

「帰国子女」というものの定義がそもそも曖昧だということが表れてるね。

 

世間一般での認識

 

文科省の定義は分かったけど、これだけだと何だか納得いかない。

というのも、世間一般での「帰国子女」の定義というか認識って、少し違う気がする。
もっと具体的で、細かくて、ステレオタイプを含んでるんじゃないかな。

ここではあくまでも僕が感じた世間一般での「帰国子女」の認識について、大まかに書こう(細かく見ればもっと色々あるだろうけど)。

 

「帰国子女は英語が出来て当たり前」

 

何故か「帰国子女=英語が出来る」って認識だよね。

 

英語圏以外に住んでいた人だって沢山居るのに。
もっと言えば、海外の日本人学校に通っていた人だって居るのに。

帰国子女ってだけで英語が出来ると期待される、
それがプレッシャーで、面倒くさくて、帰国子女だってことを隠す人も多いんじゃないかな?

僕も「英語でなんかしゃべって!」という死のワードを回避する為に帰国子女であることを隠す事は多かったかな。

practicemakesbetter.hatenablog.com

帰国子女は必ずしも英語圏から来ている訳ではない!
今の時代、海外に日本人学校くらいたくさんある!

無条件に帰国子女全員が英語を使って生活していたと決め付けるのは誤りだ。

 

僕自身は英語圏で育ったから、このブログは主に英語について話すことになるけど、このことを決して忘れてはいけない、と自分にも言い聞かせておこう。

 

「幼少期までに海外に行っている」

 

上の文科省の定義を見ると、
「○○歳までに渡航した者」とは一切言及されてない。

ということは、親の都合で、という部分さえ満たせば、特に年齢制限ってのはないみたい。

だけど、実際にはどうだろう?

 

例えば、空想の人物「A太郎」君で考えてみよう。

A太郎は高校1年まで日本で育ち、高校2年の一年間のみ、親の海外転勤の都合でイギリスへ。
一年間、現地の日本人学校で過ごし、高校3年生の時に帰国し、もと居た高校に再編入した。

親の都合で、なんとも可哀想なA太郎君・・・。
そんな彼は、「帰国子女」でしょうか?

 

まぁ、定義は満たしているから答えは YES なんだけど、
何故だか世間では、幼少期(大体12歳くらいまで)に海外に飛び立っている人のことを「帰国子女」と呼ぶ傾向があると思うのは僕だけだろうか?

帰ってくる時期はさほど重要ではなく、いかに若い段階で海外に行っていたかが重要視されているような気がしてならない。

別に小学生の時であれ、中学生の時であれ、高校生の時であれ、留学ではなく親の都合で海外に一年以上居ればそれは立派な「帰国子女」なのに。

 

結論!「帰国子女」の定義は曖昧である!

 

まぁここまで色々書いて何なんだけど、

 

結論としては、
「帰国子女」って言葉は定義が曖昧で、組織や団体によって認識が多少異なる。
そして、世間一般での認識は、非常に定義が狭く、間違いが多い

ってところかね。

世間一般での認識が、あまりに狭い範囲の人しか「帰国子女」と見ていないから、

  • 英語ができない
  • 一年しか海外に居なかった
  • 高校生の時に渡航した

などの人は、「隠れ帰国」というカテゴリーにされてしまうのかもしれない。

海外がどんどん身近になってゆく現代において、このままの認識でいいのだろうか。
世間の認識が変われば、帰国子女にとってより住みやすい世の中になるんじゃないかな。

 

そんな日が来ることを心から願おうじゃないかー。

 

では、僕から以上っ!!

 

Thumbnail photo credit: saebaryo Dictionary via photopin (license)

自己紹介をば。

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どーもー、はじめまして。

おりばーと申します。平成生まれのしがない大学院生です。

 

日本で生まれ、気づいた頃には星条旗のもとに居た僕は、いわゆる「帰国子女」。「いいなー」って思ってくれる人も居るかも知れないけど、案外楽なもんじゃないんだよね、これが。

二つの国、二つの言語の狭間に居るって、結構たいへん。特に日本社会においてはね。

日本の中学高校に入り、自身のアイデンティティ、言語、文化、コミュニティ、性格、あらゆる部分に葛藤と変化を体験した僕は、

「こんな疑問や苦悩、僕だけだろうか?」

 

と思い、帰国子女について研究することを決意。こうして僕の「自分探し」は「学問」となり、気づけば海外の大学院にまで来てしまった。

このブログは、日本における悩める帰国子女たちの、少しでも役に立てばと思い立ち上げたもの。また、帰国子女というものについて考えるキッカケが作れたらいいなと。(研究内容を小出しにまとめて自分の備忘録として使おうなんて考えてないからね。)

 

 別に僕が帰国子女を代表しているわけでもないし、「私こんな悩みなかったけど??」って人は、「こいつ無駄に苦労してるなー」って笑ってやってくだせぇ。

 

最後に!

 

このブログを見つけてくれた「あなた」、ありがとう!そしてこれからもよろしく!